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ウィリアム・ブリテェィン・キャトリン

秘密の国オフショア市場

秘密の国オフショア市場 人気ランキング : 34815位
定価 : ¥ 2,310
販売元 :東洋経済新報社
発売日 : 2007-12
発送可能時期 : 通常24時間以内に発送
価格 : ¥ 2,310
つらい読書体験

ひと言でいえばつらい読書体験であった。
オフショア市場としてのケイマンの歴史など興味深い部分はあるのだが、その間に挟まれるグローバル資本主義についての著者の「思想」にうんざりさせられる。なにを言っているのかわからない以前に、日本語として理解不能。シンプルなルポに徹すれば、ずっと面白くなっただろうに。

ケイマンの存在なくして多国籍企業は存在しない!

主にケイマンを主としたタックスへブンについて
書かれた本であるが、タックスへブンにおける租税回避の
スキームをただ単に紹介した本でなくオフショア市場という
資本主義の内側に組み込まれ、なお且つ裏の領域から、
グローバル資本主義における多国籍企業と国家の関係のあり方を
解説した本である。

率直に言って、著者の与えてくれる視点は、私のような
金融の素人には非常に面白く刺激的であった。

とくに、著者はひとつの前提を置く、
「オフショアの利点を享受しなければ、多国籍企業は
グローバル資本主義の過酷な競争の中で生き残っていくのは困難である」
言い換えれば、租税回避した税金を自社の成長に投資することによりのみ
競争を生き残っていけると。

この前提から、多国籍企業と国家の関係が論じられていくのだが、
ここで、著者はグローバル資本主義における解きがたい矛盾を
提示する。「自国に雇用をもたらし、産業を強くしている多国籍企業
のオフショアでの活動を規制すべきかどうか?」たしかに、オフショアでの
活動を規制すれば国の税収は増え、オフショアでの犯罪も取り締まれる。
しかし、規制によって自国の多国籍企業の競争力を失い、経済の発展が
妨げられるのなら本末転倒である。

著者の与える前提やそこから生まれる矛盾を通して、
新たな視点から、グローバル資本主義における新しい国家像や、
現ブッシュ政権の経済政策、共和党と民主党の経済政策に
対する意見対立の構図が見えてくるので、読む価値がある本だと思います。

また、キャロル・オフの「チョコレートの真実」を併せて読むと、
資本主義の裏の側面も含めた、グローバル経済の全体像が
理解できるかもしれません





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